補酵素について
オリエンタルの補酵素は、パン酵母からの抽出により、あるいは高純度の原料と変換酵素を用いる酵素反応により製造し、当社独白のイオン交換クロマトグラフィー法により精製された高純度の補酵素です。
規格
オリエンタルの補酵素は、N.R.C.*による「生化学物質の規格及び基準」“Specifications and Criteria for Biochemical Compounds”by the National Academy of Sciences-National Research Council, Washington, D.C. in U.S.A.に基づいて定められています。
*N.R.C.=National Research Council
純度
オリエンタルの補酵素は酵素的分析による純度を規格として採用していますが、それ以外に以下に述べる分子吸光係数等についても規格を設け厳重に管理しています。
酸化型の補酵素(NAD+、NADP+)の場合、260nmにおける分子吸光係数は260nmにUV吸収をもつ物質全てがNAD+或いはNADP+に換算されます。
したがって目的物質以外のヌクレオチド類が含まれていても分子吸光係数に算入されます。
酵素反応により求めた純度が高く、しかも分子吸光係数が理論値に近い値であることが高純度であることを示します。
還元型補酵素(NADH、NADPH)の場合、340nmにおける分子吸光係数は、還元型ニコチンアミド化合物に特異的な340nmのUV吸収をもつ物質の含量を示しますから、α型、β型のNADH及びNADPHの他のそれらの異性体(1, 2−ジヒドロ型、1, 4−ジヒドロ型)などが、この分子吸光係数に算入されます。
従って{「340nmの分子吸光係数の理論値に対する割合」−「酵素による分析により求めた純度」}は還元型補酵素の異性体や分解物など340nmに吸収をもつ不純物の混在量が算出されます。
{「260nmの分子吸光係数の理論値に対する割合」−「酵素による分析により求めた純度」}は、ヌクレオチド不純物(例えばADP-ribose等)の混在量を示します。
つまり、関連類似物の混在量は、260nmと340nmのスペクトル分析と酵素による分析の不一致から求められます。
また、NAD+、AMPのJIS規格化に伴い、当社もそれに対応した純度算出法を使用しています。
吸光比
還元型補酵素の場合の
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及び酸化型補酵素の場合の酵素反応によって還元した後の
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の吸光比は、全ヌクレオチド含量に対する目的の補酵素の品質を示すひとつの重要な指標です。
理論値は0.43であり、これより低い値を示す補酵素は、それだけ他のヌクレオチド不純物が含有されていることになります。
つまり補酵素の純度低下は
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の低下を伴います。
他の吸光比、A250/A260、A280/A260も、純度の補助指標となります。
インヒビター
酵素活性のインヒビターが、NADHの保存中に生成し増加することが知られています。
インヒビターの吸収スペクトルのピークは340nm付近にあり、NADHの吸収スペクトルとほとんど近似しています。
従って、インヒビターを検出識別することは、化学的には困難です。
インヒビターが微量存在すると、乳酸脱水素酵素のような酸化還元酵素の活性が著しく抑制されます。
オリエンタルでは劣化したNADHから非常に強力なインヒビターを分離、精製することに成功しました。(1)−(4)
インヒビターは単一物質ではなく、それらがNADHから生成されるとき、それぞれの波長には、時間的なずれがみられます。
オリエンタルのNADHにはそれらのインヒビターの含有が、ほとんど認められません。また研究用にこのインヒビターを提供出来るようになりました。
NADHをご使用の際はインヒビターの生成を防ぐため、乾燥状態を保って低温下にて保存して下さい。
- 山内惇一、吉村世都子、藤井克美 生化学 45、576(1973)
- 山内惇一、吉村世都子、藤井克美、堀尾武一 生化学 48、453(1976)
- 山内惇一、吉村世都子、藤井克美、堀尾武一 生化学 49、770(1977)
- J.Yamauti, S.Yoshimura, I.Takagawara, K.Fujii, A.Tai, J.Yamashita & T.Horio, J.Biochem., 90, 941-955(1981)
